2010-01-01から1年間の記事一覧
週一でコンスタントに泳ぎ始めて半年くらいになる。 だいぶ楽に距離を伸ばせるようになってきたと思うが、すごいひとはすごいもので、周りを見渡すと、1キロでも2キロでも楽そうに泳ぎ続けている人が必ずいるのである。うらやましい。 ということで、少し自…
これはおもしろい! あまりにも中身が濃い。しかし、読ませる。たくさん付箋を貼って、一気に読んでしまった。 最近考えていることがまさに言語化されていて、職場の後輩みんなに勧めたいくらいだ。 『帰国子女ではなく、海外留学の経験もなく、ましてMBA(…
最近、都会に住まうこと、住む場所をどう作るか、について考えている。 こちらの本にもあるように、中古を買ってリノベーションする、という選択肢が増えているのもおもしろいなと思う。どうも、いろいろ読んだり見たりすると、がっちりローンを組んで新築マ…
ちょっとやさぐれていた一時期。『人生には、ヘルマン・ヘッセを読む時間が必要だ』なんて言って仕事をやめた友人に影響され、ヘッセを何冊か一気に買ったのが3年前。 ヘッセ「デミアン (新潮文庫)」 - 千早振る日々 ヘッセ「クヌルプ (新潮文庫)」 - 千早振…
おもしろかった。建国から、オバマ大統領誕生前までのアメリカの政治の変遷を、そこに深く関わってきた人々や争点となった問題を含めて追っていく。最近、仲正昌樹さんの「集中講義!アメリカ現代思想」という本を読んだことや、「ハーバード白熱教室」のせ…
最近発見してしまった、直木賞作家、久生十蘭(ひさおじゅらん)の短編集をもう一冊読んでみた。(先日読んだ短編集はこちら→久生十蘭「湖畔・ハムレット 久生十蘭作品集 (講談社文芸文庫)」 - 千早振る日々) これまた期待を裏切らないおもしろさ。 幻想的…
デザインという言葉は、何かの形を考える、というような美術とか技術のレベルで考えることが今でも多い。しかし、この本ではもっと広い意味、つまり「発想によって世界を変える」という意味で使われている。 「デザイン思考」によりコンサルティングを行うID…
往来堂にて購入。同じ著者の本が何冊も並んで平積みになっているのを見て、なぜか引きつけられるものを感じて買ってしまった。しかしこれはすごい人を見つけてしまった。というか、教えてもらった。こういう、とても自分からリンクしていかなそうなところに…
美術エッセイで名を馳せた洲之内徹という男の生涯を、彼の若き日からの文学の友人であった著者が描く評伝。 美術エッセイに足を踏み出す前の小説や、戦前の運動家・軍の班員としての活動、さらには周囲の人間との関係、特に『救いようのない地獄があった(p1…
スポーツや睡眠の最中に突然心臓が停止する。スポーツ選手など、一見健康体に見える人がこうして突然命を奪われるニュースを時おりみかける。こんなに怖いことはない。 一方で、なぜそのようになってしまうのか、ということについてはあまりわからないし、明…
子どもを産むことに二の足を踏んでしまうのはなぜだろう、と自己分析している。仕事が今ほどはできなくなるから?お金が必要だ(けど足りない)から?結局いろいろ言い訳しているだけで、そんなこと考えているからダメなんだ、と感じなくもない。では、どう…
ドイツの偉大な文豪ゲーテの晩年に、彼と親しく交わった若き文学者が、その楽しくも意義深い対話を思い起こす。ゲーテは、自分の作品の創作の過程や、他人の誌や絵、音楽の批評、仲間との会話を通して、著者に詩作のなんたるかについて語る。どういう対象を…
八十を越えた評論家が、昔の思い出す風景、覚えている言葉、ずっと変わらない信条、老いた自らを見つめて思うこと…などについて語っていくエッセイ。 私は八十一歳を迎えて、視界がはっきりしているとは言えない。しかし、ぼんやりしていることと、それがし…
本屋大賞も受賞したミステリーを、「最後がすごいから読んでみて」と渡された。普段積極的に小説やミステリーを自分から読もうとしないが、そう言われると、ちょっと興味がわく。しかも、衝撃!と言われたり書いてあると、どれどれどんな展開になっているの…
これはおもしろかった。日本一の調理師専門学校の経営者であり、料理研究家である辻静雄をモデルとした評伝。500ページ、一気に読み切った。 未だフランス料理のなんたるかも全く知られていなかった時代、料理学校を経営していた養父から渡された本を頼り…
職場の後輩を連れて、同級生がボーカルをやっているバンドのライブを見に行った。 新しいアルバム発売後の、全国ツアーのファイナル。 久々に買って聴いた新しいアルバムが、良い意味で遊べていて、勢いがあり、いろいろと試みていて、とてもいいと思ったの…
念のため書いておくと、「科学」ではなく「化学(ばけがく)」である。物質の成り立ちや性質について考える「科学」の一分野であり、この分野の大きさは、物理とならんで、ノーベル賞の一部門を占めていることからもわかる。ぼくが専門としている生物も、結…
以前に読んだ「デッドライン仕事術」では、デッドラインをもうけて残業をなくし効率を高める仕事術を、経営者として会社を率いた経験から実践的に紹介してくれていた著者。 この本では、もう少しやさしく、若い人間が会社で実力を発揮するために何が必要かを…
皮膚科専門医、菊池先生の著書。文庫で手に入りやすくなったので、読んでみた。 ぼくのかかりつけの先生である菊池先生が、アトピーという皮膚病の理屈と対処法、自身が日ごろ行っている治療の考え方と問題意識、さらにはどういう医者にかかればいいか、とい…
日常のことばで、生活の中で哲学しようとする鷲田先生。患者と向かい合い、その世界に入り気持ちを通じ合わせようとする河合先生。「臨床哲学」と「臨床心理学」の第一人者がことばをかわし合う対談は、とても自由で刺激的だった。「臨床」というキーワード…
三遊亭円朝という落語家がいた。江戸から明治にかけて、多くの新作落語を世に問い、一つの芸能としての落語を確立した。現代落語の祖、といってもいいだろう。 こちらでも紹介している雑誌「東京人」の特集では、円朝を「落語界のシェイクスピア」と評してい…
高校生のとき、失礼ながら、倫理の時間は寝ているか別な教科の内職をしていた。今になってみると、あのときよくわからない言葉をぼやぼやと語っていた倫理の先生が、どれだけ奥深いことを言っていたかもしれないという思いにとらわれる。ということで、この…
子どもみたいな感想だが、アメリカはすごい、と思った。この本もまた、「<私>時代のデモクラシー」を読んだときと同様の問題意識があって読んだ。つまり、競争的・自己責任の社会において、公共の利益というか全体としての生き心地のよさ、のようなものを…
上巻の感想はこちら。下巻は、ショートショートで有名な星新一が、作家となり名前が売れて後の生涯をたどる。 消耗品にはならない。なりたくない。それは、ひとたび多くの読者をもち、自分の作品の多大なる影響力にうち震えた経験をもつ作家の背中に取り憑い…
おもしろかった。 政治思想史の研究と、現代を表わすような本や考え方を読み解いたものがうまくかみ合っていて、現代の「デモクラシー」が困難な状況が説得力のあるかたちで浮かび上がっていると感じた。 これから、自分のいる場にどう生かしていくべきか、…
1987年の新書を、アンコール復刊とのことだが…これはすばらしい。 この本をアンコールしてくれた人に感謝したい!レーウェンフックとパストゥールからはじまる話は、普通によくある微生物学の入門書かと思わせるが、そのくらいでわざわざ復刊されるわけもな…
文筆業で稼いでいるわけでもないのに、自分の仕事と関係のない本を日々ちくちくと読んでしまう自分が、『アウトプットを前提にしないと、インプットはほとんど意味をなしません(p54)』という著者の言葉を完全に理解できているとは思いがたい。 しかし、こ…
旅行をするときに特別読みたくなる本、自分が旅行している雰囲気をより高めてくれる本がある。『街道をゆく』シリーズはまさに、ぼくにとってそういう本である。 以前も、このシリーズの『大徳寺散歩』を読んでから実際に京都にいってみたが、これがよかった…
『自省録』をあらわしたマルクス・アウレーリウスと並ぶローマのストア派の哲学者が、いかに有限な生を生くるべきか、を語ったこの一冊。 自分に向けた日記的なものとして、そういう口調で書かれた『自省録』に比べると、少々かしこまった書き方であるが、文…
待っていた本が文庫になった!嬉しくてすぐ飛びつく。 ノンフィクション作家最相葉月さんが書いた、ショートショートの名手、星新一の評伝。 以前、星新一が、実業家であった父の若い頃について書いた評伝「明治・父・アメリカ」を読んで、こう書いたことが…