2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧

水上勉「一休 (中公文庫)」

年末、京都に行ってきた。この世と隔絶したような雰囲気をもつ大徳寺の塔頭。司馬遼太郎の本を読んで、多くの人物がこの大徳寺と関わりを持ってきたことに興味を持った。千利休しかり、細川忠興しかり。 もう一人。とんちを利かせるお坊さんのイメージで有名…

「クマグスの森展−南方熊楠の見た夢」

青山のワタリウム美術館にて。またしても会期ぎりぎりになってしまった。 生涯在野の一博物学者として、人間を含めた森羅万象に興味を持ちつづけた南方熊楠。その手紙や標本、アイディアを書き留めたノートなどを集めた展示。 この人のことを知らない人に説…

三村芳和「酸素のはなし―生物を育んできた気体の謎 (中公新書)」

研究者といっても、ちょっと分野が違ったり自分のやっていることに関連がないことを知らなくても済んでしまうものである、ということをわが身をもって思い知らされてしまった。ちょっとかじった程度で、説明もできなければわかったとも言えなかったようなこ…

大谷和利「iPodをつくった男 スティーブ・ジョブズの現場介入型ビジネス (アスキー新書 048)」

言わずと知れたアップルの総帥、ジョブズさんの紹介本。ネットでいろいろ記事を見たりしているが、実のところ彼がどういう人生をたどってきたのかあまりしらなかったので、手に取りやすそうな一冊を読んでみた。 実際、タイトルからしても、ジョブズのことな…

吉越浩一郎「デッドライン仕事術 (祥伝社新書)」

「残業ゼロ」という難しいがシンプルきわまりない目標をかかげ、そこから手をつけて社内全体の意識改革につなげたやりかたが真新しかった。残業をなくせば残った時間で効率的にやるはずだ、という芯の通ったアイディアから仕事の効率を高めていくやりかたは…

吉田たかよし「勝てる子供の脳―親の裁量で子供は伸びる (角川oneテーマ21)」

これまであまり手を出さなかった、「脳」の面から学習法などを指南する本。だいたいそういう本は、立ち読みすればどういう内容かわかってしまうことが多い。この本もご多分にもれず、「セロトニン」とか「ミラー・ニューロン」という言葉を使って科学的に見…

ポール・オースター「トゥルー・ストーリーズ (新潮文庫)」

ゴールデンコンビによる、日本独自編集によるエッセイ集とのこと。もともとどのようにばらばらになっていて、それぞれがこれまでどのように処遇されてきた文章なのかはわからない。しかし、このように楽しい時間を送れるような形で本にしてくれた二人に感謝。…

梅田望夫「ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)」

実はすでに昨年秋ころに読み終わっていた。しかし、なんやかんやで読んだ感想をまとめずにここまできてしまったので、年始だからこそさらっとでも読み直して感じたことをまとめてみようと思い立った。前作などを読んでいて感じた違和感などが綺麗に解消した…