2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧

レスリー・アドキンズ、ロイ・アドキンズ「ロゼッタストーン解読 (新潮文庫)」

名前とその偉業くらいは知っている、シャンポリオンによるロゼッタストーン解読。サイモン・シンの「暗号解読―ロゼッタストーンから量子暗号まで」にも描かれていた有名な仕事だ。しかし、この本を読むまでは、彼がどのような人物で、どのような背景のもとそ…

松本清張「小説日本芸譚 (新潮文庫)」

運慶、千利休、世阿弥、光悦など、日本史における芸術家たちの人物像を、その作品と資料から著者が再構成して短編小説として提示する試み。 どの人物にも、芸術で生活が成り立つのかという恐れ、一方でひとたび頂点を極めればいつかは落ちるかもしれないとい…

山本紀夫「ジャガイモのきた道―文明・飢饉・戦争 (岩波新書)」

かなり近い時期にまるで同じようなタイトルの新書が出るのは、流行のトピックでもない限りなかなか珍しいように思った。 伊藤章治「ジャガイモの世界史―歴史を動かした「貧者のパン」 (中公新書)」 - 千早振る日々 しかし、かなり毛色が違っていて、上の本と…

大崎茂芳「クモの糸の秘密 (岩波ジュニア新書)」

クモの糸について研究してきた著者が、クモの生態とクモの糸の面白い性質を紹介するとともに、クモの糸にぶらさがるという夢を実現するまでの試みと苦労話を語る。 芥川龍之介以来の(?)悲願であったこの実験は、もともとテレビの企画で始まったものである…

柴田元幸「翻訳教室」

英文学を楽しく我々に紹介してくれる柴田先生の、翻訳の講義の様子を文字に起こした本。しばらく前に買ったものを、じっくりと楽しんだ。 表題では、「翻訳」は『Literary Translation』となっている。柴田先生だから当たり前だが、あくまで「英文学の」翻訳…