2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

増田彰久「西洋館を楽しむ―カラー版 (ちくまプリマー新書)」

西洋館。それは、明治から昭和初期にかけて建てられた、西洋の様式を取り入れた建物とでも定義すればいいのか。どういうものがそれなの?と訊かれてとっさに思いつくのは東京駅とかだろうか。 このかわいいカラー版の本に出てくる建物は、建てられた年代もば…

渡辺政隆「ダーウィンの夢 (光文社新書)」

進化論を提唱したダーウィンの主著「種の起源」出版から150年のアニバーサリーイヤーが昨年2009年であった。そこで数々のダーウィン関係の書籍が出版されたわけだが、そのなかに、「種の起源」の新訳というのもあった。 そうした出版ラッシュも収まりつつあ…

酒井穣「「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト (光文社新書)」

話題になっていたこの一冊。書評はあちこちに出ているので、自分が覚えておこうと思ったことだけ書く。 変化の激しい時代に社員に何を身につけさせるべきか。OJTは無責任だ、という考え方から、著者が考える手法を提示していく。しかし、実際にどのような手…

丸谷才一「挨拶はたいへんだ (朝日文庫)」

小説家・文芸評論家の著者が、文学賞の授賞式やパーティー、知人の長寿の会や「偲ぶ会」、結婚披露宴などで披露した挨拶を短いコメントとともに味わう。挨拶の際は必ず原稿を作って読む、という人なればこそできる本。 ただ挨拶が並んでいるだけといえばそう…

本間義人「居住の貧困 (岩波新書)」

地方から出てきた人間にとって、都会において住宅をどうするかという選択は非常に難しい問題だ。利便性がよく、新しいほど部屋は狭く、また家賃は高くなる。家族を持つことになるとますます悩みは増すし、かといって安くて古い建物は災害が怖い。安心して住…

榊淳司「年収200万円からのマイホーム戦略」

相場に惑わされず、中古の物件を買ってリフォームすることで、あなたもマイホームが持てますよ、という本。資産価値としての家ではなく、使用価値(住む価値)に重心をおいて家選びをしよう、という至極まっとうなことを具体的にどうすればいいか、を含めて…

平林純「論理的にプレゼンする技術 聴き手の記憶に残る話し方の極意 (サイエンス・アイ新書)」

どこかで良い評判を目にしたので読んでみた。愉快なイラストとともに、これ以上ないほど気軽な気持ちで読める。が、内容は意外と濃い。 最近、論文を書くことに自信が出てきたせいか、自分の中でのプレゼンの苦手意識がきわだってきているのを感じている。デ…

デイヴィッド・セイン「英語ライティングルールブック―正しく伝えるための文法・語法・句読法」

論文以外にも、英文メールを書く機会が昨年来増えている。しかし、その形式などは、昔用いていたものをそのまま無頓着に使い回していていたりする。そこで、確認の意味もこめて、また英語らしいこなれた表現を扱えるようになることを期待して、読んでみた。…

遠藤秀紀「ニワトリ 愛を独り占めにした鳥 (光文社新書)」

解剖学を通じて答えのない学問に切り込み続けるこの人が帰ってきた。成果主義に振り回される私たち研究者への力強い言葉とともに。 二十一世紀初めの日本社会を雇用不安や低い賃金や年間三万人の自殺者で味付けした行革狂いの政治家にとって、答えを出さない…

三浦しをん「桃色トワイライト (新潮文庫)」

だめだ。おかしすぎる。この人のエッセイは、なんでこんなにツボなのだろうか。こういうエッセイは好き嫌いもありそうだが、出るたび買って笑ってしまう。ぼくは、この人の書くエッセイに含まれているどういう成分に反応しているのだろう。 なんだろうか。エ…