2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

坪内祐三「考える人 (新潮文庫)」

小林秀雄からはじまり、さまざまな「考える人」、考えたことを書き残してきた先人たち、が登場する。それぞれの人々の考えてきたさまを、書かれたものを読んで紹介していくという試み。 この「考える人」は単なる作家論や人物論ではありません。 「考える人…

研究室内における水平関係を作る

id:arakik10さんが、先日のエントリについて「違和感を覚えた」「上下関係の記述が目に付く」と書かれていますが、実のところ私の考えはそれほどおっしゃられていることと変わらないと思います。 水平的な関係を作ることの重要性。それについて少し書いてみ…

サイモン・シン「宇宙創成(下) (新潮文庫)」

上巻はこちら↓ サイモン・シン「宇宙創成(上) (新潮文庫)」 - 千早振る日々 ビッグバンモデルが成立するまでが上巻だった。下巻では、さまざまな証拠が集まり、ビッグバンモデルが実証され、広く認められるに至るまでが書かれている。 宇宙の話なのに、超…

カズオ・イシグロ「わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)」

2、3年ほど前に話題になったこの本が、昨年夏に文庫化。待ってましたと買ったものの、落ち着いて読みたいなどと思っているうちに半年経ってしまった。 それでもやはり、比較的余裕のあるときに読んでよかった。あちこちのブログや雑誌などで読んでいた噂に…

サイモン・シン「宇宙創成(上) (新潮文庫)」

本屋に平積みになっているのを見てわかった。タイトルこそ違え、これは文庫化されたら読むぞと決めていたあの本だと。 「宇宙の進化は、終わったばかりの花火になぞらえることができる。一筋の霧と灰と煙。われわれは冷えた燃えがらの上に立ち、衰えてゆく太…

鎌田浩毅「ブリッジマンの技術 (講談社現代新書)」

人間は、自分の考え方の枠組み『フレームワーク』を持っていて、基本的にそれに合うものしか頭に入らないし理解できない、と著者は書く。読書においても、自分のフレームワークに合うものだけを気に入るのだという考えだ。極端とも言える。しかし、自分とは…

戸塚啓「マリーシア (光文社新書)」

自分ではできないくせに、いや、だからこそかもしれないが、こういうサッカーのことを論じた本が面白いなと思う。以前にも、日本のサッカーが強くなるためには「言語技術」を高める必要がある、という哲学のもと、公認のスクールを運営していく話について書…

三浦しをん「まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫)」

架空の都市「まほろ市」の駅前で便利屋を開業する主人公・多田のところに、高校時代の同級生である行天がころがりこんでくる。奇妙な依頼人や意味の分からない依頼に対応しているうち、二人は怪しげな事件に巻き込まれていく…。 直木賞を取ったこの作品。同…