2007-11-01から1ヶ月間の記事一覧

海堂尊「死因不明社会―Aiが拓く新しい医療 (ブルーバックス)」

おどろおどろしいタイトル。表紙は黄色だがれっきとしたブルーバックス。 帯にあるように、「このミステリーがすごい!」大賞作家が現代医療についてまわっている問題を提起するノンフィクション。そのミステリー自体は読んだことはないのだが、実に興味深い…

縣秀彦「天文学者はロマンティストか?―知られざるその仕事と素顔 (生活人新書)」

国立天文台普及室長である著者が、天文学者とはどのような仕事をしている人なのか、について優しく語る。 もちろん天文学は実際にすぐに役に立つ学問ではないので、その道に進む人はたいへんだろうし、資金の調達も苦労がいるだろう。そのあたりのことも、臆…

齋藤孝「日本を教育した人々 (ちくま新書)」

「ウェブ時代をゆく」が置いてなくて、それでは久々に齋藤先生でも読んでみようと。 明治から昭和にかけて、日本人全体を教育するような役割を果たした人間について、その成し遂げたことや教育観を述べていく。 齋藤孝の本は一つの書評のようである。一冊か…

山崎ナオコーラ「人のセックスを笑うな (河出文庫)」

題名と作家名があまりにもインパクトがあるので覚えていた文藝賞受賞デビュー作。 映画化するせいか、文庫になっており平積みにされているのを発見(なったのはそれなりに前のようだ)したので読んでみようかと買ってみる。 ちなみに、作者は女性で、主人公…

佐藤優「国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて (新潮文庫)」

文庫化。はやい。文庫になったらすぐ買うぞ、と密かに決めている本というのは、心の表面には上がってこないもののけっこうあるようだ。「あ、これは買うんだ」と文庫の棚に並んでいるときにすぐに感じるのである。 というわけでこの本。外務省でロシアとの外…

高見沢潤子「兄小林秀雄との対話―人生について (講談社現代新書 215)」

小林秀雄というと、難しい箴言が出てきそうなイメージがある。この新書は昭和四十五年に出たずいぶん古いもので、小林秀雄の実の妹である著者が兄との対話を綴っていく形式になっていて、楽に読める。 言葉使いも平易なら、その語るところも実に易しい。しか…

東京藝術大学創立120周年企画「岡倉天心―芸術教育の歩み」

これは面白かった! 「茶の本」で有名な岡倉天心は、東京藝術大学の前身の創立に携わったことで有名で、芸大には初代校長である彼の立派な銅像がある。今回行ったのは、初代校長である岡倉天心と彼の理想、そして芸術教育の現場を見せた展示。 美術大学の創…

橋本治「橋本治という行き方 WHAT A WAY TO GO! (朝日文庫 は 27-1)」

この人も大好きな物書きの一人。全く偉そうでないところがまたいい。 もともと絵描きであった著者の文章は、いつもくねくねしている。心の持ちようがとても自由な人で、自分で考えたことに行き着く過程を含めて全て文章にしてしまうからだ。読者は、いつも彼…

京極夏彦「邪魅の雫 (講談社ノベルス)」

友人に借りて出る作品を全て熱心に読んだのは高校生の頃だったろうか。10年ぶりに、別な場所で再会し親しく付き合うようになったその友人が、読んでみないかと貸してくれたのがこれ。彼といろいろ行動をともにし、話していた頃も、そのころひたすら読んでい…