2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧

新宿セミナー@Kinokuniya 『あやつられ文楽鑑賞』刊行記念「落語と義太夫のあまい関係」

直木賞作家、三浦しをんさんのエッセイの刊行を記念して、義太夫を聴く夕べが催された。女流義太夫のほか、柳家喬太郎さんが「寝床」(義太夫好きの旦那が出てくる噺)を一席やり、最後に座談会まで。 「近所のおじいさんが三味線とうなる」イメージの義太夫…

梨木香歩「ぐるりのこと (新潮文庫)」

最近お気に入りの梨木香歩さんによる、エッセイ集。最相葉月さんによる解説から、この本のエッセンスを書いてある部分を引用させていただく。 …個人が「個人の生」を生きながら、同時に「時代の生」をも生きなければならないことのむずかしさを、ニュースや…

荻野進介・大宮冬洋「ダブルキャリア―新しい生き方の提案 (生活人新書)」

『景気や会社の都合に左右されない、自分なりの確固たるキャリア』を持つために著者が提案するのが、ダブルキャリアである。ひらたく言ってしまうと副業ということになるが、少し違う。著者はあくまで、小遣い稼ぎのためではなく、キャリアを築くための副業…

R.P.ファインマン「科学は不確かだ! (岩波現代文庫)」

ノーベル賞ももらった、最も有名な物理学者であるファインマン先生の講演集。彼の著作ではもっと有名な「ご冗談でしょう、ファインマンさん」を先に読むべきだったが、まずは手軽なほうから。 科学というとかっちりと確かなイメージがあるが、全くそんなこと…

長谷川宏「高校生のための哲学入門 (ちくま新書)」

ヘーゲルの翻訳で有名な在野の哲学者である著者が、タイトルどおり高校生くらいをターゲットにして哲学について語る。哲学入門と銘打ってあるが、難しい哲学の考え方や哲学者などはほとんど出てこない。あくまで、私たちが日ごろ直面する「哲学的な」問題か…

梨木香歩「家守綺譚 (新潮文庫)」

『西の魔女が死んだ (新潮文庫)』『春になったら莓を摘みに (新潮文庫)』と読んできて、この小品に手を伸ばす。 背景となる時代は100年少し前。物書きとして生計を立てようとする主人公が、亡くなった友人の実家に「家守」として住むことになる。季節の移…

牧山桂子「次郎と正子―娘が語る素顔の白洲家」

白洲次郎・正子夫妻の娘である著者が明かす、世にも破天荒な夫婦の風景。昨年あたり「白洲次郎 占領を背負った男」をはじめとして、白洲正子の本にはまって何冊も読んだりしていたので、この本のエピソードも実に面白く読めた。二人の住まいであった武相荘(…

今日の植物:アスパラガス

今後、お勉強も兼ねて、wikipediaで植物のことを調べたことをまとめてメモっていこうと思う。今日は、これ。 アスパラガス - Wikipedia 単子葉植物、ユリ目ユリ科、アスパラガス属。 同属に含まれる植物には、観葉植物とされるものも多いようだが、最も良く…

猪瀬直樹「作家の誕生 (朝日新書48)」

「ピカレスク」を読んで、著者の作家評伝シリーズのうち読んでいないのは「ペルソナ―三島由紀夫伝」のみとなった。ここらで復習もかねて、著者の評伝シリーズの内容をまとめた一冊を手にした。 本文はかなりの部分が既刊の評伝と重複しているが、コラムや後…

松井秀喜「不動心 (新潮新書)」

言わずと知れたヤンキースの松井さんが、手首に怪我を負ってから自分の野球への向き合い方を語った一冊。 失敗したことをどう生かすか。自分でコントロールできることはじっくり計画を練って直していく。できないことを変えようとじたばたしない。奇しくも、…

榊原正幸「損せず得とる! 株の心得 (PHPビジネス新書)」

たまにはベタな実用本を。 前半は、詳しく読んではいないが、つまりは「金持ち父さん」と同じことを言っているのだろう。雇われて稼ぐお金だけでは駄目ですよ、という話。 対話形式で読みやすくそれを語ってくれている点がいい。高校生や、大学生になったば…

岩田正美「現代の貧困―ワーキングプア/ホームレス/生活保護 (ちくま新書)」

「格差」について取り上げられるようになってからずいぶん経つ。しかし、「格差」という言葉はあまりにあいまいで、どこからが自己責任でどこからが解消せねばならないのか、また具体的にどのような施策をとるべきか、はなかなかはっきりした形をとってこな…