2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧
インフルエンザ、関節リウマチ、そしてがんにまで挑む免疫学の最新の成果を一望する一冊。ほとんど免疫学のことを知らない人でも、一読すればその面白さがわかるだろうわかりやすい説明。著者は免疫学の分野では知らぬ人のいない岸本先生。 タイトルにもある…
Amazonで評判のこの本を、統計学にほとんど素養のない自分が読んだらどうなったか。 まず最初に、自分がどの程度統計学のことを知っていたかを書く。 自然科学にたずさわっているので、有意とはなにか、仮説検定とは何をやっているか、くらいは何となくわか…
すべての人に、無条件で、生活に必要な所得を配分する。この「ベーシック・インカム」という考え方について、実際にどのような仕組みなのか、また、歴史的・哲学的にどのような議論がされてきたのか、さまざまな側面から解説していく。 一章では、「反貧困」…
ひとつのものに狂えば、いつか答えに巡り合う。(p23) 不可能と考えられてきたリンゴの無農薬栽培に挑んだ一人の男。その奇跡ともいえる成功に至るまでには、地を這うような生活と周囲の冷たい目があった。面白い人がいるものだ。前歯の抜けた笑顔がかわいら…
大学法人化の3年前、岐阜大学の学長に就任した著者。東北大学、東京大学などで研究一筋に歩んできた著者はまさに、「落下傘学長」。法人化という難問に苦戦を強いられつつ取り組む地方の大学で、仲間も少ないなかで、理解を得つつ奮闘していく日々をつづる…
CGがすごいということは知っていた、「嫌われ松子の一生」の中島哲也監督の映画。あまり期待しないで見たら、これは面白いではないですか。 確かに、CGがきれい。しかも、違和感がないものだなぁと感心した。背景もほとんどCGであるにも関わらず、比較的素直…
幼き頃に母を亡くし、父と二人で茶畑が広がる田舎で暮らす主人公のたみお。見合いで結婚することになるが、そこに父の弟がふらりと帰ってくる。 タイトルも雰囲気も癒し系に見え、あちこちにおかしな笑いを起こさせる場面がありつつも、見ていて感じる不思議…
自分のために、というよりは、他人におすすめできるバイオテクノロジーの入門書がないかと思い、読んでみた。 どのように染色体が分かれて受精卵がDNAの構造、遺伝子とは何か、タンパク質がどのようにできるのか。こういった分子レベルの仕組みを前半で説明…
岡崎京子の、一番新しい(とはいっても1998年の)短編集。 こちらの雑誌で、ブックディレクターの幅允孝さん*1が紹介していた一冊。 編集付記に書いてあるように、単行本化にあたり必ず手を入れる著者の作品をそのまま出すことになり、「未定稿」の意味をタ…
国語専門塾を営む著者が、『中学生以上のすべての人がやっていけるような簡単な方法(p22)』で、日本語の論理の意味を解き、短めの例文で読者のトレーニングを試みる。 そのキモは以下の三つである。 反対の関係の「対」、同一の関係の「言い換え」、橋渡しを…
ぼくのクラシックの知識は、中学校の音楽の時間で習うレベルの有名な作曲家と有名な曲、および映画『アマデウス』を見て聴いてみたくなり、かじったモーツァルトくらいに留まっている。そんな自分にとって、とても面白く、ためになって、いろいろとクラシッ…
それほど寄席や落語会に頻繁に足を運んでいるわけではないが、こういう本を見つけると買ってしまうくせがある。現在活発に活動している12人の落語家を取り上げて、著者の思いを述べる一冊。 現在、落語はブーム、というほどでもないが、それに向けたスター…