「パコと魔法の絵本 [DVD]」

CGがすごいということは知っていた、「嫌われ松子の一生」の中島哲也監督の映画。あまり期待しないで見たら、これは面白いではないですか。
確かに、CGがきれい。しかも、違和感がないものだなぁと感心した。背景もほとんどCGであるにも関わらず、比較的素直に風景としてみられた。技術の進歩はすごいものだ。それに合わせて、衣装や小物もかわいい。CGがあるとはいっても、役者さんの小芝居というか細かい演技などもほほー、と思わせてくれたり、作り込んでいる。
ある病院で出会った、一晩しか記憶が持たない少女と、病気を抱えた会社社長。内容には、なんでそうなるの、というようなアラがなくもないが、物語の勢いで一気に見られた。画面の色合いとか、この監督の世界観がどーんと押し出されていて、中途半端でないのがいい。出演者も中途半端でなくどなたもはっちゃけていて、しかも終盤に向かってどんどんテンションが上がっていく感じがおかしい。普通なものは作らない、見せたいものを見せるんだ、という監督の迫力が演じている人々にうつっているようにも感じる。
それにしても、阿部サダヲおそるべし。一緒に演じている人が笑ってしまっているのではないかと心配になる。