2007-09-01から1ヶ月間の記事一覧
福岡の精神病院を抜け出した、恋人でも家族でもない男女が車でひたすら南へ向かうロードムービー的小説。旅の途中で精神的に不安定になったりハイになったりしつつ、主人公の相方への気持ちや、自分との向き合い方は微妙に変わっていく。とどまりたくない気…
「いまさら名作を読む」第三弾はこれにした。これを何の理由もなく、特にひまでもないのに、よし読もうと決心してしまう今年の自分はいったいなんなんだ。 酔っ払いが狂ったように大演説をぶつ迫力に圧倒される描写からはじまる上巻。じっくり展開していくの…
モテモテでとってもスケベな半端な俳優と、バツイチのいじけた売れない作家(と名乗る英語教師)。実に分かりやすいデコボココンビのロードムービー。 どこか人間性に問題を抱えていたり、精神的に病んでいたりする人が旅をする中で変わっていくのはよくある…
文庫化されたので購入。さすがに評判になった本だけはあって、おもしろい。 社会学というのが、いかにどんなことでも主張できてしまうのかということを、真面目な話題も不真面目な話題もともに入れ込みながら面白く述べていく。とはいえ、どんなに物事を資料…
友人と、東京駅の吟醸バーに行ってきた。これはすごい。きらめくような吟醸酒が66種類+α。きれいなグラスに注いでくれて、色と香りをワインのように吟味しながら味わう。あまりに種類が多すぎて、どれを選んだらいいかわからない。どれでも美味しいだろう…
ロシアのソクーロフ監督が撮った、イッセー尾形が演じる「エンペラー」。 日本だとどうしてもデリケートな扱いになってしまいそうなこの映画。不謹慎かもしれないが、イッセー尾形さんの演技がとてもユーモラスで、その手や口元、歩き方から話し方まで、全て…
本をじっくり読む暇がなくて書くことがない。いつもは、あまり書かないことにしているのだけれど、記録がてら自分周りの話をすこし。 今日は友人のとてもいい知らせがあった。というか、ブログに書いてあるのを見た。 修業期間でも、試験勉強でも、そういう…
中島義道さんは、好きでずっと読んでいる一人だ。2、3年前に出た「悪について (岩波新書)」も面白かったが、この本も相変わらずの人生哲学が堪能できる。 そもそも著者の本を初めて読んだのは、高校生くらい、「対話のない社会」や「うるさい日本の私」だ…
著者は、「まさおかいるる」さんと読むらしい。落語の本などによく名前が出てくる、芸能研究家・作家。この小説は1943年に刊行されたものを底本としているとのこと。いやはやなんとじっくりと文庫本になったことか。こういう本を広く読めるようにしてく…
ヘッセを読むキャンペーン、二冊目。一冊目は、こちら。→http://d.hatena.ne.jp/PineTree/20070812/p1 つくづくこの人は詩人なのだ。放浪の芸術家の人生と哲学が淡々と綴られる。解説に『「デミアン」とまったく異なっているようで、テーマは相通ずるもので…
べたなセレクトですが、見たことがなかったもので。10本近く置いてあったのに、びっしり借りられていて残り一本だった。これはもう池脇千鶴さんに尽きる。ジョゼにとっての、恋愛の、「これ一回きり」という切迫した感じが、見ていて辛いほど伝わってくる…
「天然コケッコー」を見たつながり(同じ監督)でDVDを借りてくる。いまさら、だけども。 バンドが空中分解してしまった女子高生3人。韓国からの留学生のソンちゃんをボーカルに誘い、学園祭でどうにか演奏しようとする。 こういうのはちょっとずつけん…