「リンダリンダリンダ [DVD]」

天然コケッコー」を見たつながり(同じ監督)でDVDを借りてくる。いまさら、だけども。
バンドが空中分解してしまった女子高生3人。韓国からの留学生のソンちゃんをボーカルに誘い、学園祭でどうにか演奏しようとする。
こういうのはちょっとずつけんかしたりいざこざしたりしながら上手くなっていくのが良くあるパターンなのだけど、この映画は、始まるとき既に学園祭は始まっていて時間は2日しかない。でも、この映画のような年のとき、なにかを短い期間でみんなでやろうとするとき、たった2日というのがやけに長く長く思えたなぁと懐かしくなる。見ていて、のめり込む時間を友人とともにしているような、そういう気にさせてくれる。
ペ・ドゥナさん演じる、主人公のソンちゃんの意思のある目が印象的。最初は、この子がリンダリンダを歌うのか、と思ってしまうが、他のメンバーとの交流が深まるにつれだんだんしっくりしてくる。そしてラストに彼女が歌うその格好と声の似つかわしさ!映画全体を通して、人がわらわらいて、ごたごたとみんなでやっている、という学園祭の雰囲気がとてもよく表現されている。
地方都市の古い高校。屋上から見る空。最近、こういう青春ものに弱いことを割り引いても、青春の雰囲気、若いときに感じる匂いみたいなものがすごくよく出ていていいなぁ。この監督は、そういう、ドラマにもならないような、でも覚えているような、一つ一つのシーンをじっくりと見せてくれるのがすごくうまい。

そんな学園祭の真夜中、誰もいない学校の構内を主人公がただひとり、ひとりごとを言いながら歩いていくシーンにやられました。
…あー、そういうのわかる。