2011-03-01から1ヶ月間の記事一覧

佐藤文隆「職業としての科学 (岩波新書)」

宇宙物理学の科学者として数々の本を著してきた著者が、科学という職業に対して良きも悪きもさまざまに言われる現状について、考えてみようとする一冊。 未来の科学の社会的あり方にはまだまだ多くの可能性があり、転換期には豊かな想像力が問われているので…

柳瀬学「英文を読むスピードを3倍にする10の法則 (アスカカルチャー)」

中学・高校生向けの英文読解のコツを教える本。 that節や長い主語、関係代名詞などを、どれだけ「固まりとして認識する」かについて、懇切丁寧に説明していく。また、なるべく多くのパターンに応用できるように、同じ形の動詞なども多数紹介している。 こう…

北岡伸一「独立自尊―福沢諭吉の挑戦 (中公文庫)」

冒頭、「福翁自伝」の最初の部分がそのまま引用されている。さらっと読み始めて、しばらくそれが福澤諭吉の文章そのままだとは気づかなかったくらいに、今読んでもわかりやすい。 そのくらいわかりやすい文章で、明治の人々に日本とその問題、今後について自…

坪内稔典「正岡子規 言葉と生きる (岩波新書)」

あれは大学の院かなにかの入学式だったか卒業式だったか。文学評論などで有名な前の学長がゲストとして祝辞を述べた。相も変わらず面白い脱線に富んだその話の中で彼は、正岡子規について考えてみるべきだ、みたいなことを口にした。それを、今でも覚えてい…

齊藤誠「競争の作法 いかに働き、投資するか (ちくま新書)」

プロローグによれば、最初は『「豊かさ以上」(post richness)、「幸せ未満」(pre happiness)の時代』というタイトルが頭にあったそう。経済学者の著者が考えたいのは、誰一人幸せにならないような「豊かさ」、つまり数字上の経済成長になど意味はあるの…