2011-11-01から1ヶ月間の記事一覧

野口雅弘「官僚制批判の論理と心理 - デモクラシーの友と敵 (2011-09-25T00:00:00.000)」

おもしろかった。通りいっぺんの官僚批判で終わる本でも、逆にただの擁護でも終わる本ではない。マックス・ウェーバーら過去の人々の英知をひもときつつ、官僚制の両面を見つめながら、官僚制というものの価値と、民主主義社会を維持していくことの難しさを…

中谷彰宏「「出る杭」な君の活かしかた (アスカビジネス)」

簡単に読める自己啓発本、というイメージのある著者だが、久しぶりに読んでみると、この本がまたすごかった。 著者の強みは、広告業界で働いていたときに、これ以上出来ないくらい突き詰めて働いた経験のようだ。そこまでしないと見えない仕事の本質というか…

城山三郎「粗にして野だが卑ではない―石田礼助の生涯 (文春文庫)」

自分の中に変わらぬ尺度をもち、筋を通すことを何より重んじる戦前の商社マン、後の国鉄総裁の主人公。その仕事に生きた男のかっこよさが、城山三郎らしいビジネスの現場の空気感とともに描かれる。 戦前に特に留学もせず、伊豆の自然いっぱいの過程に生まれ…

西川伸一・倉谷滋・上田泰己「生物のなかの時間 (PHPサイエンス・ワールド新書)」

理化学研究所のバイオサイエンスを担う3人の研究者が、生物の時間について語る。 それにしても難しい本である。一般向けの新書であるし、決して難しい言葉を使っているわけではない。しかし、現状の解説もあるとはいえ、話していることは「何がわからないか…

久保田崇「官僚に学ぶ仕事術 最小のインプットで最良のアウトプットを実現する霞が関流テクニック (マイコミ新書)」

キャリア官僚がその仕事術を公開、という実にスタンダードなコンセプトのビジネス書。仕事上のアウトプットをするために効率よくインプットする、といった内容は、こういう本を読み慣れた人には特に真新しさはないかもしれない。しかしこの本は、そういう部…