ヘッセ「クヌルプ (新潮文庫)」

ヘッセを読むキャンペーン、二冊目。一冊目は、こちら。→http://d.hatena.ne.jp/PineTree/20070812/p1
つくづくこの人は詩人なのだ。放浪の芸術家の人生と哲学が淡々と綴られる。解説に『「デミアン」とまったく異なっているようで、テーマは相通ずるものである』と書いてあるが、確かにそういう印象はあった。世間的な成功とはまったく違う生き方の価値観。ともすれば理想的になりすぎ、青臭くなってしまうそういう価値観を、とても自然に提示しているなと感じた。