石田千「月と菓子パン (新潮文庫)」

女ひとり、お買い物をし、猫と遊び、お酒を飲んで友達と話す。さわやかな風が流れるような日々のできごとに、小さい頃の思い出や友達、家族との話。
向田邦子のエッセイが好きな自分にはとてもしっくりくる文章たち。背筋を伸ばして日々暮らす一人の女性の姿が思い浮かぶ。
こういう、気持ちが自由な人の文章が好きだ。自分の気持ちまで自由になる気がするから。なにかにこだわることもなく、気持ちが自由だからこそ身の回りのものがすうっと心に入ってくるし、それを文章にできるのだろう。そうなってみたいし、そうありたい姿だ。