城田美わ子「「男のマナー」にはツボがある!」

マナー知らずの大人に贈るビジネス本。特に、わたくしのような社会人としてのマナーのなんたるかをあまり知らない人間には、そのマナーの由来とか意味とともに詳しく解説してくれるのはとても助かる。
挨拶にせよ、冠婚葬祭にせよ、いろいろな場面での社会常識とされるマナーを知っている人は多くても、「それがなぜそのようになされるのか」「なぜそう振舞うか」までわかっていてできる人は少ないのではなかろうか。「なぜ」まで知っていると、イレギュラーな状況でもマナーがあるなと思わせられるし、また今後社会とともにマナーのあり方が変わってもマナーの精神を知って行動することができる。
敬語もマナーも、紋切り型のものを覚えればいいというものではないのだ。どちらも、時代とともに変わっていくものであるし、その「なぜそう振舞うか」がわかってこそ、いつまでもどんな状況でも通用する立ち居振舞いができるはずである。この本は、はっきりとそう書いてはいないが、そのあたりに多めに気を配っている点がとてもいい。
マナーに自信のないあなただけでなく、そこそこできるはずと思っているあなたにも。繰り返し読んで現実の振る舞いにフィードバックしていくことで、だんだんと「なぜそう振舞うか」が身についてくるだろう。