古川日出男「アラビアの夜の種族〈1〉 (角川文庫)〈2〉〈3〉」

アラビアの夜の種族〈1〉 (角川文庫)アラビアの夜の種族 II (角川文庫)アラビアの夜の種族 III (角川文庫)


友人のすすめで読む。アラビアンナイトを想起させる、ということもあってか、読んでいるあいだ中、女の人に物語りを甘い声で読み聞かせてもらっているような気になる。世界はねじれ、言葉があふれだす。こりゃすごい。
なんか似ているなと思ってあとから知ったのだが、古川さんはウィザードリィの小説を書いておられるらしい。親に隠れて机の引き出しの中のゲームボーイウィザードリィをやっていたときのドキドキ感、怖い感じ、そんな気持ちすらよみがえってくるのがたまらなかった。
確かに3巻は長いかもしれない。しかし去年「カラマーゾフ」を読んでから、長い小説を苦にしなくなった。うれしいやら、こまったやら。
ジャンルに関係なく、小説が、そして夢見ることが、摩訶不思議な物語が好きな人はぜひ手にすべき一冊。